理事長

小泉公二

「NHKインターナショナル」の最大のミッションは、公共放送NHKの持つさまざまなノウハウを途上国の人々の生活の向上に役立てるということです。

残念ながら、世界はいま新たな緊張の中にあり、当財団の抱える活動現場はまさに世界のホットコーナーにあります。南スーダン、コソボ、ウクライナ、バングラデシュといった難しい環境の中で当財団の職員と多くの関係者が活動を続けています。

私たちの活動は、限られた予算と要員の中で、実に多岐にわたります。世界各地の放送局へのNHK番組や放送素材の提供。独立したてのアフリカの国で立ち上がろうとする公共放送への支援。紛争やテロの傷跡の残る欧州やアジアの国々の安定と平和のために果たすべき公共放送の役割についてのワークショップ。さらには世界的な気象変動や自然災害が続く中で、NHKの災害報道の仕組みや情報処理の仕方についても中国やベトナムなど各国に伝え続けています。

世界各地のニュースでは、紛争やテロ、災害などで傷つき、家を失った人々の状況が毎日のように伝えられています。私たちの仕事は、こうした厳しい現実を少しでも改善することを目指した、気の遠くなるような作業の連続です。

一口に国際貢献といっても、それぞれの国の事情は大きく異なり、難題が尽きることはありません。厳しい気象条件、すれ違う意思の疎通、何か月も前から積み上げてきた準備が直前にひっくり返されることもあります。

しかしながら、こうした国々の放送には何十万、何百万という現地の人々の未来がかかっています。放送を通じた国際貢献が公共放送NHKに求められ続ける理由もそこにあります。

道のりは決して平坦ではありませんが、放送によって人々の命と暮らしを守り、豊かな未来を切り開こうとするアジアやアフリカの国々のために、当財団の職員と共に、微力を尽くして参りたいと思っております。

平成29年7月1日

NHKインターナショナル 理事長
小泉公二